Mellow〜海面に咲く華〜 第一話「東洋人」



登場人物

♂ミカヅチ・アザイ 17歳 行方の分からぬ父親を探すため妹と共にヴァルハラへ転校してきた本編の主人公
                        基本はだらしなく不真面目万歳な性格。若干シスコン

♀アメリア・L・エリダンヌ 17歳 ミカヅチと同じクラスになる国のお嬢様だが、お嬢様という特別視を嫌う。
                            彼女自身もお嬢様には見合わぬ天真爛漫な性格をしているが魔法剣士の腕は一流

♀スティレット ?歳 普段はアメリアのメイドをしている、エリダンヌ家で製造された戦闘型アンドロイド。
                    腕には大量の銃火器が内蔵されている。若干ドジっ娘気質

♂ハーネル・レッドホーク 17歳 ミカヅチのクラスメイトでミリタリーマニア、不真面目代表
                            制服を着崩したりピアスをしている一見チャラい男だが、ミカヅチ同様なにかとアツいものを秘めている

♀ミズチ・アザイ 16歳 ミカヅチの妹、共にヴァルハラへ転校してくる。
                      重度のブラコン。ミカヅチを慕い、世話をするが少しの事で泣く娘

♀セーレ・ミカール 17歳? 何故かミカヅチのベッドで寝ていた幽霊。何故かミカヅチだけが見える。
                          ちょっと電波がかった謎の子

♂アルバート・ブーン 38歳 ミカヅチのクラス担任。就任15年目のベテラン教師
                          スーツをラフに着こなし、そこから見える逞しい肉体と煙草がトレードマーク。

※各キャラクターのもう少し練った詳細設定はコチラ※


役表(♂3:♀4:N1)
♂ミカヅチ:
♂ハーネル:
♂アルバート:
♀アメリア:
♀ミズチ/???:
♀スティレット:
♀セーレ:
♂♀ナレーション:



N:ミカヅチは独り立っている、真っ暗で何も見えない場所に

ミカヅチ:・・・何だここは?、誰か居ねェのか!?

N:叫んでも返事は返って来ない。聴こえてくるのは水の音だけ・・・
   ミカヅチに不安が襲う、だが立ち尽くすのも不安で、前後左右分からない闇の中を
   ただ手探りに歩いて行く。その中で目を射す一点の光

ミカヅチ:出口か・・・?うおぉぉぉぉぉッ!!

N:がむしゃらに光へと走る。だが光の先は出口ではなかった。
   その空間には、美しい華が水の上に数えきれない程浮かんでいる。
   しかしミカヅチは華には見向きもせず、華の中心にいる女性にただ目を奪われていた。
   光の反射で顔が見えない、しかしその女性は確かにミカヅチに微笑みかけている

ミカヅチ:誰だ・・・?

???:貴方の願いは・・・ちゃんと叶っていますね・・・?


ミカヅチ:第一話「転校」


ミズチ:お兄ちゃん!起ーきーて!今日から新しい学校なんだから起きてよぅ!

N:ミカヅチの大きな身体を必死に揺さぶる妹のミズチ。この男、実は意地悪な事に
   既にちょっと前から起きてたのだが、必死なミズチの行動が可愛くて狸寝入りをしていた。このシスコンめ

ミズチ:あぅぅ・・・お兄ちゃん、うっ・・・起きてよー・・・ひっく
      転校初日から遅刻なんて・・・うぅ・・・やだよー!うえぇぇぇぇん!

N:ミカヅチさん、ないわー

ミカヅチ:ミッミミミミミズチっ!?起きてるからな!?
        あぁ〜泣かないでくれぇ俺が悪かった!!なっ?

ミズチ:うぅ・・・お兄ちゃん!朝からそんな三文芝居なんて必要ないから
      早く着替えて来てね!朝ごはん冷めちゃうよ〜

N:フェードアウト気味にミズチは小走りで部屋から出て行く

ミカヅチ:仕方ねェ、ミズチの飯食わないと頭働かんからなぁ・・・さてと

(むにっ)

ミカヅチ:・・・おうぅ?俺のベッドいつからシリコン製になりやがった?ンギモヂィィィ!

(むにむにっ)

N:不本意ながらも心地よい感触を手に残しながらミカヅチは手の元に目線を移す。
   目のやった場、すなわちミカヅチの横には・・・何故か女の子が寝ていた

セーレ:すぅ・・・すぅ・・・ん・・・

ミカヅチ:・・・・・

セーレ:ん・・・すぅ・・・すー・・・

ミカヅチ:・・・・・・・・・・

セーレ:んー・・・すぅー・・・・・

ミカヅチ:ホアアアアアアアアアアアアアアァッ!!!!??

N:朝のアザイ家にこだまするミカヅチの咆哮というか情けない叫び声。
   少女はゆっくりと目を開けると、寝た状態で欠伸をしながら伸びる。

セーレ:うぅぅ・・・んー。もう朝ですかぁ〜?よく寝ましたぁ・・・
      あっ、おはようございます!私のこと見えてます?

ミカヅチ:・・・・・・・。

セーレ:やっぱり見えてn・・・ってきゃあぁあああああああああぁっ!!?
      何で私の胸を触っているんですかぁあぁ〜っ!?

ミカヅチ:・・・世間一般で言う「不可抗力」ってヤツだな、ウン

セーレ:いいから早く退けてくだs・・・んっ!
      ・・・って何で揉んでるんですかぁああああああ!!!

ミカヅチ:野郎の本能を見逃しやがれぇえええええっ!!ちょっまっ!本を投げるな!
        おい待て待て!本棚はシャレにならん!ならんぞぉほぉおおおおおっ!!?

(ドカーン・・・)

ミズチ:・・・お兄ちゃん何してんの?

ミカヅチ:ヘイ、マイシスター・・・本と本棚に襲われたぜ

ミヅチ:はい、卵焼き

ミカヅチ:もぐもぐ・・・うまい、ガクッ

N:ミズチの冷たいツッコミと温かい卵焼きを喰らったミカヅチは着替えを終える。
   とりあえず謎の子と正座で向かい合っていた。

ミカヅチ:コホン、・・・とりあえずお互い落ち着きましょう。

セーレ:そうですね。あ・・・自己紹介が遅れました、私はセーレ。
      セーレ・ミカールです

ミカヅチ:あぁ、セーレ・・・「さん」

セーレ:呼び捨てで良いですよ。あと敬語も止めていただけると

ミカヅチ:そか、悪ィな。敬語苦手でな・・・ハハッ

ミズチ:お兄ちゃん!何してるの!?早くしてよー!

ミカヅチ:あぁ悪ィ!今行く!・・・すまん、急ぐから細かい話は後だ

セーレ:はい、行ってらっしゃい。・・・・・・学生さん?あんな身体と顔なのに・・・

N:ミカヅチは微笑みながら手を振るセーレを部屋に残し、階段を3段飛ばしで駆け下りる。
   ミズチの機嫌をとりながら朝食を済ませると、新しく通う学校へと向かう

N:道中でミズチの機嫌も(お約束展開で)直り、これからの学校の話をしていた
   校門が見えてきたと同時に、ミズチはある物体に目が行く

ミカヅチ:(・・・しかし、今朝の夢は何だったんだ・・・?誰かに似ていた気がしねェでもないが・・・)

ミズチ:うわぁ〜!お兄ちゃん、門の前にあるのってリムジン!?

ミカヅチ:何だその変な声は、・・・ってマジだリムジンだ高級車だVIPカーだ送迎最速伝説だ

ミズチ:やっぱ西洋って凄いんだね・・・登校にリムジンなんて、私見てくる!

ミカヅチ:西洋関係あんのk、っておい待てって!走るなよ!

N:案の定聞いていなかったミズチは、ガチャリと車のドアが急に開いた事に驚き
   ぶつかるギリギリのところで踵が引っ掛かり、派手に尻もちをついてしまった。

ミカヅチ:ミズチ大丈夫か?怪我は無いか?

ミズチ:うー・・・大丈夫、びっくりしたぁ

ミカヅチ:そうかぃ、あぁすいません。そちらは大丈b・・・ッ!?

N:ミカヅチが相手先へ向くと目を見開き息を飲む。リムジンから降りていた少女は
   無機質な瞳で2人を見降ろしていたが、それだけではない。
   突き出された左手首からは、無骨な銃口が顔を覗かせていたのだ

スティレット:・・・貴方達は何者です?その制服は此処ヴァルハラのモノですが
            貴方達のような方が在校しているなどとは私のデータバンク内には
            ありません。・・・もう一度聞きます、貴方達は何者です?

ミズチ:あ・・・・・あ・・・・ッ・・・

N:未だ尻もちをついたミズチを庇うように片膝をついたミカヅチが右腕を横に
   広げる。冷や汗が頬を伝うも、ミカヅチは冷静さを保とうとする。

ミカヅチ:・・・俺等は今日転校してきた。

スティレット:・・・転校生?

ミカヅチ:あぁそうだ、だから今まで在校していないワケだから誰も知らなくても不思議じゃないだろ?
        ・・・分かったらその左腕を下ろしてくれ・・・!
        それとも!・・・こんな白昼堂々、大勢見てる校門前でドンパチやらかす気かアンタ・・・

スティレット:(※何か照合させるような事をぶつぶつ呟いて)・・・・・・・。
            本日の転校生リストに貴方達のデータが存在しません。
            お嬢様、そしてヴァルハラを狙う不当な輩とみなし、早急に排除させて頂きます。

ミカヅチ:ちょっと待て!俺等は本当に今日此処に転校するんだ!
        不当な輩でもなけりゃ、そもそも誰だよお嬢様ってのは!?

ミズチ:うえぇぇぇぇん!お兄ちゃあぁぁあぁぁん!!

スティレット:・・・照準セット

ミカヅチ:ちぃッ・・・!魔導斬いっと・・・

アメリア:(※間髪入れず) そこまでッ!!!

N:まさに間一髪。凍りついた空気を斬り裂くような声が同じリムジンの中から響く。
   それに驚いた3名はほぼ同時にリムジンの開いたドアへ振りむく。
   リムジンから出てきたのは、金髪の長いストレート。制服を気品に着こなす女性

スティレット:お嬢様・・・・・!

アザイ兄妹:・・・へっ?

アメリア:スティレット、早く腕を下ろしなさい!
        善良にして神聖なるヴァルハラで、白昼堂々一般生徒に銃を突きつけるとは何事なの!

スティレット:しかしお嬢様!この者たちは此処の生徒では無いのに制服を身につけ
            接触を図っているのですよ!?それにこの男性、転校生と言う割には
            目つきと骨格が出来過ぎています、訓練を積まれた諜報員の可能性が・・・

アメリア:はぁ・・・スティレット?あなた、まーた朝イチのデータ更新するの忘れていたでしょ?

スティレット:・・・・・・あっ

アメリア:今 す ぐ ! 車に戻って端末にアクセスしなさい?

スティレット:・・・暫しお待ちください

N:一喝されてションボリとした表情のメイド服の子は、いそいそとリムジンへ戻る
   それを茫然と眺めていた2人に、そのお嬢様とやらが申し訳なさそうに微笑みかけ

アメリア:ごめんなさいね、うちのスティレットが迷惑掛けてしまって
        ・・・・・・はい、貴女・・・大丈夫?

N:そういうとアメリアは座り込む2人に手を差し伸べる。ミズチはまだ半べそ状態
   になりながらアメリアに起こしてもらい、ミカヅチもアメリアの手をとり起き上がる
   が、180cmという身長がむくりとアメリアの前に立つと少しアメリアも目を見開き

アメリア:(・・・確かに高校生にしては体格がしっかりしてる。あの子が疑うのも無理ないかも・・・)

ミカヅチ:なんかすまねェな・・・。はぁー、間一髪とはまさにこの事か・・・

アメリア:あの子ちょっとドジでね。本人は一生懸命だから、あまり文句言えなくて・・・

ミカヅチ:(ドジのやる事にしてはシャレにならねェ・・・)

スティレット:お嬢様、申し訳ありません・・・更新していませんでした

アメリア:謝るのは私じゃなくそちらの人達っ

N:車から出てきた沈んだメイドはアメリアに宥められ、申し訳なさそうな顔で
   2人に頭を下げる。小さい身体が一層小さく見えた

スティレット:申し訳御座いません、私の勘違いで・・・
            本日付けで学園に転校する、ミカヅチ・アザイ様、ミズチ・アザイ様

ミカヅチ:いや、分かってくれて何より・・・あまり気になさらずに
        ・・・ほれ、ミズチももう大丈夫だから泣くなよ。

ミズチ:ぐすっ・・・うっ、うん・・・

アメリア:もし良かったら、貴方達を職員室まで案内させていいかしら?

ミカヅチ:いいんですか?そこまでしてもらって、名前も聞いていないというのに

アメリア:あっ、そうでしたね。コホン、自己紹介がまだでした私はアメリア・ルキウス・エリダンヌ
        同い年ですから敬語はいりませんよ、ミカヅチ・アザイさん

スティレット:スティレットと申します。お嬢様のお世話と警護を任された
            アンドロイドです。学年は、そちらのミズチ様と一緒です。

アザイ兄妹:ア・・・アンドロイドぉっ!?

スティレット:はい、詳しく説明致しますか?

ミカヅチ:・・・それはまた後日にしてくれ、今日は学園の事だけでドタマ一杯にしたい

アメリア:ふふっ、では参りましょうか

N:ようやく学園内へ入る4人、まるで中世の城と思わせる外見の学園は、中も
   高級感バリバリだが生徒達は割と普通で、王立とはいえそこまで堅苦しいもの
   ではないようである。制服を着崩す生徒もいれば教室で雑誌を読んでいたりする

    2人の後ろを歩くアザイ兄妹、アメリアが立ち止り回れ右をすると、横にあるドア
   には「教員室」と記されていた。

アメリア:ここが職員室。それじゃ、私達は先に教室に行くから

ミカヅチ:あぁ、悪いな。わざわざ案内までさせちまって

アメリア:一緒のクラスになれる事を期待してるわ

ミカヅチ:そうだな。・・・さてミズチ。お前は何でまた泣きそうなんだ?

ミズチ:き、緊張して頭が真っ白・・・うぅ

ミカヅチ:もう高校生なんだからしっかりしてくれ・・・

N:軽い溜め息をつくと「失礼します」とノックして扉を開けるミカヅチ。
   中にいる教師が一斉に振り向く。なんとも静まり返った教室だ、これは俗に
   言う職員会議の真っ最中というオチではないでしょうかミカヅチさん

ミカヅチ:(・・・確かにコレはミズチじゃなくても泣きたくならァ)

アルバート:おぉーい!アザイ君、こっちだ!

N:静寂を斬り裂いたのは渋い声、奥で一人の男性が手を振っている。
   どうやら職員会議というオチは無かったようだ、よかったねミカヅチさん
   扉を閉めると、ミズチを連れその男性の元へ歩いて行く。

アルバート:妹さんの担任は俺の向かいにいる先生だ、優しい先生だから安心していいぞ。

ミズチ:は、はいっ

アルバート:君がミカヅチ・アザイ君だね、俺はアルバート・ブーン。
          君が入るクラスの担任だ、よろしく頼むよ。・・・いやしかし
          ミカヅチ君は父親似だなぁ、妹さんは母親似ってところかね

ミカヅチ:親父の事、知っているんですか?

アルバート:あぁ、コンゴウさんは此処で世界史の講師をしていた。昔もよく
          世話になったよ。(※小声で)・・・やはり君達はコンゴウさんを探しに?

ミカヅチ:えぇ・・・全くと言ってよい程、人騒がせな親父ですね

アルバート:そこがコンゴウさんらしいと言えばらしいがな・・・。
          さて、そろそろ教室に向かおう。ついてきなさい

N:そう言うとアルバートは出席簿を片手に立ち上がる。が、頭上はミカヅチ
   を遥かに越え、ミカヅチを見下ろす形になっていた。長身集うこの光景

ミカヅチ:(よく見ればとんでもねェ肉体してる・・・)・・・先生、なにか格闘技でも?

アルバート:ん?いやぁ特に修得とまではね、あらゆる要素は一通り習ったよ。全部パッとしないが

ミカヅチ:ははは・・・

N:図体の大きい二名が学園の廊下を歩く、なんともガラの悪い光景
   アルバートがぴたりと教室の前で止まる。上には「2−C」と記載されている

アルバート:此処が君がこれから使う教室だ、俺が呼んだら入ってきてくれ

ミカヅチ:(あーマズイ、こいつぁ緊張するわ・・・。しかも東洋人なんてある意味
        異端の人間だからな・・・どんな反応されるか。)

N:肝の据わっている部類に入るミカヅチだが、転校自体は初体験であり緊張は
   ピークに達する。大きく深呼吸し目を瞑ると、アルバートの合図が聞こえてきた。
    静かに目を開きドアを開ける。そこに広がるはごくありふれた教室の風景
   だが、ミカヅチの視点が止まる。その先に居たのは笑顔でミカヅチを見ている
   朝に会ったあの金髪の「お嬢様」、アメリアだった。

ミカヅチ:(そうか、俺の名前を知っていたのは同じクラスになると最初から
        知っていたからなのか・・・。)

アルバート:・・・ん?どうした、アザイ君

N:アルバートの一声ではっと我に返るミカヅチ。同じ教壇に立つと、長身が2人
   更に高くなる異様な光景がまた出来あがる。ミカヅチはホワイトボードに己の名を
   書き、軽い溜め息と共に生徒へ正面を向ける。

ミカヅチ:東洋のジパングから来たミカヅチ・アザイ、共にこれから、よろしく。



N:ミカヅチの紹介も終わり、席へ着く。後ろから2列目の窓側とまぁお約束的な
   席である。因みに後ろはそれこそアメリアだった。

アメリア:ミカヅチさん?

ミカヅチ:んー?

アメリア:同じクラスになれて良かったです。まさか席も近いなんてね?

ミカヅチ:ンな事言ってよ・・・実は最初から知っていただろう

アメリア:ふふっ、さぁ〜何のことでしょうか?

ハーネル:成程なァ、確かにアメリアの言ってた通り色々と鋭いやっちゃな

N:2人声の主、ミカヅチの隣の席に振り向く。脚を組んで頬杖をついてこちらに
   向いている水色の髪をした男。言葉を聞いたアメリアは意味を思い出し顔が赤くなる

ハーネル:小さな妹を大きな身体で銃から護り、そこへ割って入る金髪美少女!
        いやァー、運命的な出会いってのァ存在するモンだな

ミカヅチ:・・・アメリア、俺の何を話していたんだ?

アメリア:あっ、あアアザイさんには関係ないですッ!!
        単に今日転校するあなたの第一印象を述べただけであって・・・

ミカヅチ:いや、俺の話題で俺が関与してないとはまた言葉の意味が崩壊しては
        ございませんかエリダンヌさん。って何故顔が赤いんだ?

アメリア:・・・ばかっ

ハーネル:どぁっははははははっ!何だ何だ転校初日から夫婦漫才繰り広げるたァ
        面白れェ奴だな、気に入ったぜ!俺はハーネル。ハーネル・レッドホークだ。
        まァ隣同士仲良くやろうや、ミカヅチ君よ。

ミカヅチ:「君」はよせやい、こっちこそよろしくなハーネル君よ。

アメリア:(・・・似た者同士?)

アルバート:おーいお前等!そろそろ授業始めるぞー!

ハーネル:あぁすんません。いやなに此処で軽い夫婦漫才が発生してましてねェ

アルバート:ほぉー?案外ミカヅチ君は手が早いんだなァ。転校してものの数十分とは
          ・・・最短記録にも程があるぞぉ?

ミカヅチ:常に最短を往く人間ですから・・・って、ん?何の話ですか?

ハーネル:ぶはははははははは!!

N:クラス一同大爆笑。後ろでアメリアはすっかり机に突っ伏してその赤面を隠している。
   対するはド天然ミカヅチ氏、あぁーっとコレは頭の上にクエスチョンマークが
   大量発生だ!!アメリア氏逃れられず!

N:ひと騒ぎが終了し授業は始まる。ミカヅチはけだるそうに机に肘をついて欠伸する。
    チラリと窓の外を見てみると、清々しい午前の晴れ模様。そしてその画に映り
   込む女性の人影

ミカヅチ:(綺麗な空と女の子・・・か、ってオイちょっと待て!何故3階から見える
        地とは離れた景色に人が写ってんだ!?)

セーレ:あ、ミカヅチさーん!探しましたよーっ!

ミカヅチ:(よせ!授業中だぞ空気読んでくれ!ぬおぉ窓すり抜けて来るな!
        おぉふ・・・寒気が・・・)

セーレ:聞いてくださいよミカヅチさん!私も学校の制服着たいなぁ〜って思ったら
      なんと!服が制服になったんですよ!凄いでしょ!

ミカヅチ:(どうでもえぇっちゅーに・・・)

ハーネル:おいミカヅチ、大丈夫か?(小声)

ミカヅチ:・・・どうやら季節の移り目は気圧の変化が激しいようだ(小声)

ハーネル:そうか・・・養生しろよ(小声)

N:幽霊の会話をひたすら無視しながら、こいつが来ると毎度寒気に耐えなけりゃ
   ならんのかとミカヅチは思い、深い溜め息をつき授業終了のチャイムが虚しく響いた。


N:次回予告!

ハーネル:迫りくるアプローチ、発覚する三角関係・・・そして帰国してきた
        昔の女!ミカヅチ・アメリア夫妻離婚nおごふッ!!?

アルバート:(手をパンパンと払い)少し寝てろっ。さて、次はアメリアとミカヅチの
          模擬戦だ。ミカヅチ、アメリアは優秀な魔法剣士だからなぁ?
          女と思って油断していると痛い目見るぞ?

ミカヅチ:はぁ、さいですか・・・

アメリア:ふふっ。全力でいきますよ、ミカヅチさん

ハーネル:次回!「光の騎士VS迅雷」!アメリアの華麗な連撃に逃げまとうミカヅチ
        をお楽しみに!

ミカヅチ:・・・お前は俺に何か恨みでもあるのか?

※初見様は演じた後に是非ご一読下さい※


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